下肢静脈瘤のいろは

病気のいろは
頭の病気 - 脳
頭の病気 - 目
頭の病気 - 鼻
頭の病気 - 口
頭の病気 - 耳
頭の病気 - 他
全身の病気
内臓の病気 - 肺
内臓の病気 - 心臓
内臓の病気 - 胃
内臓の病気 - 肝臓
内臓の病気 - 腸
内臓の病気 - 腎臓
内臓の病気 - 他
骨の病気
関節の病気
血液の病気
皮膚の病気
心の病気
女性の病気
性関連の病気
その他の病気
   
    深呼吸ダイエット
下肢静脈瘤とは 下肢静脈瘤の種類 下肢静脈瘤の症状 下肢静脈瘤の合併症
下肢静脈瘤の原因 下肢静脈瘤の予防策 下肢静脈瘤の治療法

 下肢静脈瘤の方に役立つ無料小冊子

下肢静脈瘤とは

下肢静脈瘤は、下肢の皮下静脈が瘤状に拡張する病気です。足の血管がこぶのように膨らみ、見た目が悪いといった美容上の問題もありますが、ひどくなると長い間立っていたり椅子にかけていると、足がだるくなり、つる、むくむ、疲れやすい、といった症状が起きてきます。
さらに重症になると、血栓性静脈炎を生じて赤く腫れて痛みを伴うようになり、長期に放置すると難治性の下腿潰瘍ができることもあります。

下肢静脈瘤は通常は進行も遅く、命にかかわる病気でもないために、医療従事者を含めて関心が薄く、正確な知識も少なく、多くの患者さんが無処置のまま放置されているのが現状のようです。


下肢静脈瘤の種類

下肢静脈瘤は、発生する部位により4つの種類に分けられます。

●伏在静脈瘤
静脈瘤のなかで最も太い瘤を形成し、脚の付け根や膝の裏から血液の逆流が生じています。外来患者の大半がこのタイプです。

●側枝静脈瘤
伏在静脈より末梢に発生する静脈瘤です。

●網目状静脈瘤
血管の太さが1~2mmくらいの、細い皮下静脈が網目状に拡張したものです。

●クモの巣状静脈瘤
血管径1mm以内の皮膚内静脈瘤で、クモの巣状に広がります。


下肢静脈瘤の症状

1)足の血管が青く浮き出てみえる
2)足がだるい、むくむ、重い、痛む、ほてる、熱感がある、疲れやすい
3)歩行時もしくは就寝中にしばしば足がつる(こむらがえり)
4)足がかゆい
5)治りにくい湿疹、皮膚炎ができる
6)皮膚が黒ずんで、色素沈着がみられる
7)足に潰瘍ができている(皮膚が破れて出血がある)

なお、上記の症状は下肢静脈瘤以外の疾患からもおこるものもありますので、注意が必要です。


下肢静脈瘤の合併症

下肢静脈瘤は放って置いて合併症を発生することはなく、また、血管外科医が行う下肢静脈瘤の手術では命に関わる合併症は生じません。
それでも、硬化療法後に血栓(皮下の硬結)を生じたり、漏れると皮膚の潰瘍や色素沈着を残すことがありますが、どれも通常は時間がたてば消失します。

しかしながら、外科的措置における医療過誤が原因といえる合併症の報告はあるので、下肢静脈瘤の手術は血管外科手術に精通した医者に任せたほうが安全です。


下肢静脈瘤の原因

動脈血は心臓のポンプの力で重力に逆らっても血流は維持できますが、下肢の静脈血は筋肉の収縮に伴うポンプ作用(ミルキングアクション)と静脈内の逆流防止弁によって、心臓に戻っていきます。

この逆流防止弁は、足の付け根や膝の裏など、太い静脈血管の合流部で壊れやすく、長年の立ち仕事・出産・遺伝的要因などで機能不全となったり、破壊される結果、静脈の逆流が生じ、結果として静脈が拡張・蛇行します。静脈血の鬱滞は、足のだるさの原因となり、その後、皮膚の色素沈着や潰瘍を生じます。

静脈瘤の発症には、先天的あるいは家族的素因が関係していると言われています。この病気は命に関わることはありませんが、進行性であり、長時間の起立、肥満、妊娠などが静脈瘤の症状を悪化さます。


下肢静脈瘤の予防策

下肢静脈瘤は、静脈の逆流防止弁の損傷に伴う下肢のうっ血が原因です。
なるべく長時間立つことを避け、立ち仕事の多い人は意識的に足踏みや膝の屈伸運動をして、できるだけ足の血行を改善すべきです。、積極的に歩いたりして下肢を動かすようにするとよいでしょう。
また、寝るときには足を高くして、血液の心臓への戻りをよくするような姿勢で寝ることをお勧めします。

スポーツをするのであれば、水泳やスキューバダイビングなど、水平の姿勢で下肢の筋肉をゆっくり刺激できるものがお勧めです。
ただし脚を激しく使うハードな種目は、脚の筋肉の血流と同時に皮膚の血流も増加し、皮下静脈が拡張するため、静脈瘤によって好ましいことではありません。

なお、医療用の弾性ストッキングや弾性包帯で、下肢に適度な圧力を与えることで下肢に余分な血液がたまることを予防することが期待できます。


下肢静脈瘤の治療法

下肢静脈瘤の治療には、根治的な治療法として古くから行われている「ストリッピング手術」、「高位結紮術という局所手術と硬化療法の組み合わせ」、静脈中に硬化剤を入れて静脈を固めてしまう「硬化療法」、血管内をレーザーで焼いて血管を固める「レーザー治療」、進行防止のための弾性ストッキングなどによる「圧迫療法」などがあります。

「ストリッピング手術」は全身麻酔あるいは下半身麻酔下で行う、弁不全をおこしている静脈を引き抜いてしまう手技です。再発率が低く、一番確実な治療法ですが、静脈を抜去しますので、まわりにある知覚神経にダメージを与えることがあり注意が必要です。

「高位結紮術」は、静脈を引き抜くかわりに、弁不全をおこしている静脈と本幹合流部を縛ったうえで、切り離してしまう治療法です。最近では硬化療法と組み合わせて使われます。

「硬化療法」は外来で受けられる治療法ですが、軽度の静脈瘤には有効です。重度の場合は手術のほうを優先することが多いようです。

「レーザー治療」は欧米でここ数年行われていますが、高度な技術を要する最新治療法で、長期成績は不明です。

「加圧療法」は、あくまでも進行防止・現状維持が目的で、下肢静脈瘤そのものが治るわけではありませんが、下肢静脈瘤の治療上とても重要です。