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リウマチとは

リウマチとは、一般に、関節の炎症が続きやがては機能障害を起こしてしまう「慢性関節リウマチ」のことを指しますが、広義の意味では「リウマチ性疾患」と呼ばれる、関節や周囲の骨、筋肉などが侵される病気全般をいいます。
リウマチ性疾患には、慢性関節リウマチのほか、全身性エリテマトーデス、変形性関節炎、痛風など、多くの疾患が含まれます。

慢性関節リウマチは、リウマチ性疾患における「全身性結合織病」のグループに属します。
全身性結合織病は「膠原病」ともよばれ、全身の結合組織(細胞と細胞をのりづけしている組織)が侵される病気です。発病の原因は明確にはわかっていませんが、免疫の働きの異常が関与していることがわかっています(自己免疫疾患)。


リウマチの症状

関節リウマチの症状は、全身の関節に炎症が起こることによる腫れと痛みが知られています。 しかし、初期の頃には、むしろ倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱といった関節以外の症状がみられます。
その後、朝の手足のこわばり(関節がなんとなくぎこちなく、腫れぼったくて動作がしにくい)、手指関節などの炎症が現れてきます。
さらには、全身の関節痛、腫れ、こわばり、しびれなども現れてきます。
最も多く侵される関節は、手・足の小関節ですが、手・足・膝・ひじなどの大関節も侵され、炎症は一般に左右両側の関節に生じます。
また、関節の滑膜の炎症が長期間続くと、やがて関節の軟骨が破壊されて、関節の亜脱臼、変形、拘縮、強直を起こし、機能障害を残します。

そのほか、関節リウマチでは、心筋炎、心膜炎、肺の炎症、目の炎症、貧血などの症状も起こります。 関節リウマチはじっとしていても痛い程の腫れが特徴で、そこが関節を動かすと痛む変型性関節症との違いです。

●あまり進行しないタイプ
症状の経過は人によりさまざまですが、約70%は軽症のまま経過します。 あまり大きな機能障害が起こらないので、手術をすることはありません。 手や足の指など、小さな関節は変形や障害を受けますが、やがて炎症も次第に治まっていき、日常生活を支障なく送れます。

●緩行または急速に進行するタイプ
症状があまり進行しないタイプに比べ、抗リウマチ薬による効果が弱く、関節破壊をコントロールできなくなることが多いです。 関節が壊れて激しく痛むような場合には、適切なタイミングで関節の手術をして痛みを和らげ、歩いたり手を使ったりする機能を保っておくことが大切です。 現在では早期発見・治療で進行を最小限に食い止められるようにもなってきています。 最低でも2~3年、多くは一生を通じてのつき合いとなる病気です。

なお、リウマチになりやすい関節には、膝関節、頸椎、肘関節、股関節、顎関節、胸鎖関節などがあり、中でも膝関節は特に日本人が侵されやすい関節で、多量の関節液がたまりやすく腫れ上がって痛みます。


リウマチの合併症

リウマチの合併症には、関節の骨破壊が進んだ際の骨粗鬆症による骨折や、肺炎や気管支炎などの感染症、口や眼が乾燥するシェーグレン症候群、尿タンパクが出て持続性の下痢を伴う二次性アミロイド症などがあります。

また、リウマチの薬による副作用としては、胃腸障害(非ステロイド性抗炎症薬による胃炎や胃潰瘍)、肺障害(抗リウマチ薬による間質性肺炎)、皮膚障害(薬疹、皮膚萎縮、皮下出血)、口腔粘膜障害(抗リウマチ薬による口内炎や舌炎)、血液障害(抗リウマチ薬による貧血や白血球減少)、腎障害(抗リウマチ薬による尿タンパク)などが挙げられます。


リウマチの原因

関節リウマチの主な特徴である関節の腫れと痛みは、免疫機構の異常による関節の炎症が原因で生じます。 免疫機構とは、体内に侵入してきた細菌やウイルスなどの外敵を攻撃し排除するシステムで、本来、健康を保つ働きがあります。しかし、何らかの原因でこのシステムに異常が生じると免疫機構が自分の体の成分や組織を外敵と間違って、自分自身を攻撃してしまうのです。これを自己免疫疾患といい、関節の中で免疫機構と正常な組織との間に争いが起こると、関節は炎症を起こします。これが関節リウマチの炎症のメカニズムです。

また、関節の炎症が長く続くと、骨が破壊されていきます。これは炎症によって普段は血管の中にあるいろいろな細胞やタンパク質が関節滑膜にしみ出るためです。そのしみでた細胞の中には、TNFαのような、痛みをおこしたり、熱をだしたり、骨を壊したりする悪いタンパク質がたくさん含まれています。このTNFαは直接炎症をおこしたり骨を壊すのではなく、破骨細胞に助っ人として働きかけて、骨を壊していきます。


リウマチの治療法

関節リウマチの治療の基本は、「痛みをとること」と「病気の進行を抑えること」です。 痛みをとるためには、炎症による痛み、増殖した滑膜による痛み、関節が破壊された痛みの3種類の痛みに合わせて、関節の炎症や免疫異常を抑える「薬物療法」、全身の機能を外科的処置により回復させる「手術療法」、全身の機能の維持をはかるための「リハビリテーション」を用いた治療が行われます。

●薬物療法
薬物治療は基本的に「関節リウマチ」の痛みのうち、炎症による痛みと増殖した滑膜による痛みに対して行われます。 薬物治療の中心的な薬剤には、抗リウマチ薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬、副腎皮質ホルモン薬(ステロイド)などがあります。 抗リウマチ薬は「関節リウマチ」の炎症を根幹の部分で抑えてくれる薬です。それでも残った腫れや痛みには非ステロイド性消炎鎮痛薬を用います。そして、長い治療経過中に起きる強い炎症の際には、副腎皮質ホルモン薬を用いるのが一般的です。

●手術療法
関節リウマチにより関節に障害が生じると、QOL(生活の質)も低下していきます。薬物療法やリハビリテーションでも痛みがとれなかったり歩行困難など日常生活に支障が出る場合は、手術療法を行います。 手術療法は、炎症を起こして腫れて痛む滑膜を取り除く「滑膜切除術」と、破壊された関節を人工関節に置き換える「機能再建手術」の2通りがあります。
滑膜切除術は関節リウマチの初期の段階で行われることが多く、術後は明らかに腫れや痛みが改善されるので、薬剤の量を減らすことも期待できます。機能再建手術の対象は脚や手だけでなく、最近では肩、肘、手首などの上肢にも機能再建手術を行うことができるようになりました。

●リハビリテーション
薬物治療には痛みや炎症をとる効果がありますが、薬に頼って関節を動かさないでいると、関節が固くこわばってしまい身体機能が低下してしまいます。これを防ぎQOLを維持するために、リハビリテーションが必要になります。
リハビリテーションには運動療法、理学療法、作業療法などがありますが、なるべく毎日続けることが大切です。関節が固まったり筋肉が衰えるのを防ぐ「運動療法」と、腫れや痛みが強いときに関節を温める「温熱療法」などがお勧めです。運動療法では、気の向くままに散歩したり、プールで歩くのも良いでしょう。これらを自宅で毎日繰り返し行っていけば、関節の機能障害を抑え、痛みやこわばりの緩和が期待できます。自主的に取り組むことと、過度にやりすぎないことが大切です。


さらに最近では、医学の進歩とともに関節リウマチが分子や遺伝子のレベルで解明されるようになってきました。それらの働きを直接抑える治療の研究により、新しい薬や治療法も続々と開発されています。 こうした「先端医療」の代表的なものに、抗サイトカイン療法、遺伝子治療、再生医療、ゲノム創薬などがあります。また、手術支援ロボットシステムの開発も進んでいます。

最後に、関節リウマチの患者が日常生活で注意すべき点を挙げます。
1)充分な睡眠時間をとること。疲れているときは昼寝も有効です。
2)ストレスを溜めないよう、ゆったりとした気持ちで毎日を過ごすこと。
3)リウマチの活動期には、アルコールは避けること。
4)関節に負担のかかる行為や動作は避け、日常生活で無理をしないこと。