網膜剥離のいろは

病気のいろは
頭の病気 - 脳
頭の病気 - 目
頭の病気 - 鼻
頭の病気 - 口
頭の病気 - 耳
頭の病気 - 他
全身の病気
内臓の病気 - 肺
内臓の病気 - 心臓
内臓の病気 - 胃
内臓の病気 - 肝臓
内臓の病気 - 腸
内臓の病気 - 腎臓
内臓の病気 - 他
骨の病気
関節の病気
血液の病気
皮膚の病気
心の病気
女性の病気
性関連の病気
その他の病気
深呼吸ダイエット
網膜剥離とは 網膜剥離の症状 網膜剥離の合併症 網膜剥離の原因
網膜剥離の予防法 網膜剥離の治療法 網膜とは

 網膜剥離の方に役立つ無料小冊子

網膜剥離とは

網膜は、約0.1~0.2mmほどの薄さにも関わらず、10層に分かれています。 主に内側の視細胞と外側の色素上皮細胞にわけられ、その間の網膜が剥がれて 硝子体部に浮き出てしまうことを網膜剥離といい、患部の視細胞は色素上皮細胞からの 栄養提供が絶たれ、機能が極端に低下してしまいます。 視細胞自体は再生能力があるので機能回復が見込めますが、早急な対処が必要です。 特に、「黄斑部」といわれる部位はたいへんデリケートなため、ここに症状 が出てしまうと短時間でも視力の正常回復は困難とされています。 網膜剥離は、先天的と後天的タイプがありますが、多くは後天的なもの といわれています。このタイプには、ブドウ膜炎や腫瘍などから発症する 「症候性網膜剥離」と網膜にできた穴から、突発的に硝子体液が流出して発症する 「裂孔原性網膜剥離」などがあります。後者のタイプは、今までは老化現象の一種 として、主に40代以後に発症しやすいといわれてきましたが、近年のコンピューター類 の普及により、10~30代の網膜の疾患が急増しており油断は禁物だといわれています。


網膜剥離の症状

網膜剥離の初期症状として、「飛蚊症(ひぶんしょう)」と「光視症(こうししょう)」があります。飛蚊症は目の前を小さい虫が飛び回っている様な感じがし、硝子体の剥離 あるいは裂孔からの出血などによりおこるといわれています。 さらにこれは「生理的」「病的」にわけられ、前者は特には心配ないとされますが どちらも早急に病院を訪れることが望ましいでしょう。 一方の光視症では、光のない所で「チカチカ」と光の様なものを感じる症状といわれ これは、裂孔部の網膜が硝子体などにより引っ張られる刺激によるものだとおもわれます。 しかし、両者共にこの段階では、裂孔は確認されても網膜剥離はほとんど見られず レーザー療法などの通院治療で治癒させることができるようです。しかし症状が悪化 してしまうと多量の出血が現れたり、視野にモヤがかかったように次第にぼやけて きたり、また裂孔性網膜剥離にまで移行してしまうこともあります。 これは、大きく二つのタイプに分けることができます。ひとつは下方から、ジワジワと 網膜剥離が広がっていくタイプで、若い世代に多いといわれ、数日~数ヶ月かけて 視野が「上方」からゆっくりと欠けていくので、黄斑部にまで進行してしまうまで 気づかない場合もあります。もうひとつは、網膜剥離が上方から下方へ急激に広がって しまうタイプで、視野が足元から欠けていくというもので、こちらは主に中高年に 多く見られるといわれています。 どちらも、剥離が黄斑部にまで及んでしまうと、急速に視力が低下していって しまうので注意が必要です。

【前兆は?】

前述の飛蚊症(これはゆっくりと進行します)以外、特に前兆らしい前兆は 見られないようですが、三つほど例があるようです。

① 黒または白い点のようなものが、ちらちら飛ぶ感じがする。あるいは黒点が近頃急激に増えてくる。(飛蚊症)

② 暗所で突発的に目の前でチカチカする光、または球状のものが見える。(光視症)

③ 目の奥に重だるいような感じや痛みがある。(偏頭痛に似てるといわれます)


網膜剥離の合併症

【手術・合併症】

・術後の経過・
結膜の浮腫、まぶた周囲の腫脹、充血、異物感などがみられますが 数日で段々と回復していくといわれます。

・網膜硝子体の出血・
これは、まれに眼内に出血がおきるというものですが、徐々に吸収 されていき、特に問題とはされないようです。

・眼内の炎症・
このケースは、まれに眼内のひどい炎症などにより、硝子体混濁が おこります。しかし、普通では徐々に吸収されていくとされています。

・裂孔の閉鎖不全・
完全に裂孔などが閉鎖されていないケースでは、再びガスを注入したり、 レーザー凝固を追加しなければいけいとされます。
閉鎖が不完全では、その部位から必ずといっていいほど剥離が 全体に進行してしていき、放置した場合は「失明」につながるからです。 また、合併症としては主に、術中術後の出血や感染症などでしょう。 さらに、術後痛、角膜の浮腫・混濁、眼圧の上昇、白内障の悪化や 眼球の運動障害などがおきることもあるといわれています。 しかし、これらは自然に治癒したり治療、手術などにより解決 できるようです。
次に、最大の問題点ですが、やはり「再剥離」でしょう。 裂孔などの位置が正確に判断できない場合では、剥離の進行具合に より、位置を予測し手術を行いますが、この時充分な効果が 得られなかった場合、その不完全部位の隙間から再び水などが 侵入してしまい、再手術が要するようになります。網膜剥離 とは、完全に網膜の穴が塞がらなければ、失明につながるので 塞がるまでは、何度でも手術が必要なのです。
眼機能の回復は、網膜が治癒すればもちろん視野は拡大されます。 視力の回復ですが、剥離が黄斑部にまで達していなかった場合では もとの視力とあまり変化なく回復するようですが、 黄斑部に剥離が達してしまっていた場合では、もとの視力に 回復するのは困難で、またひじょうに時間を要すると いわれています。(一般的に0.1以下のようです) また、剥離期間が長期だった時も網膜の硬化、変性が進行 してしまうため、視力回復に時間を要するようです。


網膜剥離の原因

一番多い症例は「裂孔原性網膜剥離」だといわれています。これは 網膜に裂孔、つまり裂け目ができる症状です。 眼球内側はゼリー状(硝子体)になっているといわれ 眼球の大部分を占め、細かい硝子体繊維に水を含み(約99%以上水) 膨らんでいます。
しかし、年齢と共に液化がみられ、中高年層では水とゼリーが 分離状態となり、眼球の運動と共に網膜とゼリーが強固に密着 された部位で、ゼリーが網膜を引っ張ることにより、やがて 裂けてしまうことがあります。さらにこの部位に水が浸入 してしまうと網膜が剥がれてしまうのです。 これが「裂孔原性網膜剥離」といわれます。 しかし、裂孔ができれば必ず、網膜剥離が発症するわけでも ありません。

【他に考えられる原因】
糖尿病などでは、網膜の外側にまくができます。これは出血しやすい 血管を含み、収縮により網膜を引っ張り剥離をおこすといわれて います。また、網膜下の脈絡(みゃくらく)膜部に炎症、腫瘍が みられると、その部位から液がしみだし網膜下に溜まってしまう 剥離もあり、裂孔原性とは自覚症状及び、処置法がことなるので 注意が必要です。

【発症しやすいタイプ】
まず、老化と近視といわれます。加齢と共に先の液化が進行するため 患者さんが増えていきます。若年層でも、強度の近視などは液化を 進行させ、硝子体と網膜の密着が強固な部位が多いといわれています。 中高年以上の人や強度の近視の人で、前述の飛蚊症や光視症を 感じたら専門医での眼底検査をおすすめします。

網膜剥離は及び、網膜の異常はほとんど先天的なものだといわれています。 遺伝的要素もあるので、強度の近視や身内での網膜剥離の発症は要注意です。 また、近年では重度のアトピー性皮膚炎での発症が増えてきています。


網膜剥離の予防策

網膜が薄くなっていたり、すでに裂孔がみられる症状は 冷凍凝固及び、レーザー凝固などを予防的に使用する ことがあります。しかし残念ながら、100%の効果が 期待できるというものではないようです。 何よりも、定期的に眼底検査をうけることが大切です。 特に、遺伝的要素を含みますので身内に網膜剥離 の患者さんがいる場合などはなおさらです。

いくつかの予防策は
・暗い所でのテレビ、読書やビデオゲームなどは厳禁!
 (網膜裂孔に発展する恐れ)
・コンピューターへの対策!
 (反射フィルターなどを使用したり、モニターと目の距離は約50cmほどにする)
・青魚を多く摂取!
 (ビタミンB郡が目を強化する)
・ブルーベリー効果!
 (アントシアニンという物質が視力を回復させるといわれています)
・頭部に打撃、衝撃を与えない!
・高重量の物をひとりで持ち運ばない!

などだといわれています。


網膜剥離の治療法

網膜剥離が発症してしまったら、早急な入院治療が必要とされます。 これは、目、体を動かすと液化した硝子体が侵入し、剥離が拡大 することがあるからだといわれています。 また、主な手術法は

【レーザー凝固法】
裂孔などを網膜下の脈絡膜と癒着させ、裂け目を塞ぐ方法です。 網膜下の液体成分を取り除き、出血などで硝子体に濁りなど みられる時はそれも取り除いたりします。 裂孔原性網膜剥離では、範囲により可能な場合もあるようですが ほとんどの場合、手術を要するようです。

【強膜バックリング術】
眼球の外側からシリコン製の物を縫いつけることにより多少の圧迫を加えます。 患部に人為的に火傷や凍傷を作り、裂孔を脈絡層と癒着させ、さらに隙間に シリコン製の固形物を挿入します。裂孔、網膜を眼球壁に近づかせなければ ならないため、眼内にガスや空気を注入することもあります。

【硝子体手術法】
まず、硝子体の切除をしガスを注入し裂孔周囲をレーザー及び冷凍法で 固めてしまいます。これは、ガスの浮き上がる作用を利用して 網膜を癒着させる方法です。術後の効果向上のためしばらくは うつ伏せを保ちます。また、白内障の悪化もみられる場合があり 白内障及び眼内レンズ挿入術を同時進行させる場合も あるといわれています。

どの方法も、メリット、デメリットがあるため症状の形態 裂孔の位置及び患者さんの年齢などを充分考慮したうえ で術式を決定していくといわれます。


●網膜とは

網膜とは私達の目の内部にある薄い神経膜で、カメラにたとえれば、フィルムに当たります。私達が物体や文字を見るとき、その像が網膜によって脳に伝達されるために、物を識別できるわけです。つまり網膜は、目の中に入ってきた光を電気信号に変えて神経を通して脳に伝達する役割を果たすのであるから、目において最も重要な部分だといえます。こうした機能を果たすために網膜は一億を越す光感知細胞(光受容体細胞)と百万個を越す視神経細胞、そしてこれらをつなぐ伝染の役割をする数多くの細胞からなっており、したがって、我々の身体で最も精巧な組織のうちのひとつです。

脳細胞中の約30%が網膜が送る視覚情報を処理するのに使われると知られています。こうした網膜が病むと当然視力と視野に問題が生じます。代表的な網膜疾患としては糖尿病性網膜症、加齢黄斑変性、網膜色素変性、そして網膜剥離があります。糖尿病患者に合併症として発生される糖尿病性網膜症は、アメリカの場合20歳から74歳までの人口で最も多い失明の原因です。

加齢黄斑変性は、アメリカの場合50歳以上の人口で最も多い失明の原因であり、アメリカだけで1500万人の患者がいると推定されています。

網膜色素変性は代表的な遺伝性網膜疾患で、次第にその原因が究明されつつあるとはいえ、まだ治療が困難な疾患のうちのひとつであり、網膜剥離は網膜が眼球壁から分離される疾患で、失明と眼球萎縮を招きかねません。

網膜は目の奥深くに位置しているゆえに、一般的な外部検査だけでは異常性を判定することが困難です。したがって、網膜疾患の検査と治療のための特殊装備と専門家の助けが必要な場合が多いです。