リンパ浮腫のいろは

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リンパ浮腫とは リンパ浮腫の種類 リンパ浮腫の原因 リンパ浮腫の予防策
リンパ浮腫の治療法

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リンパ浮腫とは

リンパ浮腫は、1次性(リンパ管、節などの先天的発育不全)、2次性(ガン手術後 などにリンパ節が、切除、破損される。乳ガン、子宮ガン、前立腺ガンなど)と わりと多く見る疾患です。また、放射線治療を受けた人などは治療後、数年後に 発症することもあり、約90%以上がこの「2次性」の疾患と言われてます。

 割合的には、乳ガン約30%、子宮ガン約40%とガン治療を受けられた女性に 多いようで、膀胱ガンや男性の前立腺ガンなどでは発症は少ないと言われています。

 特徴としては、細胞外液(組織液)が異常なほどに停滞してしまい、(リンパ液の 迂回路が閉ざされる)「浮腫み」「慢性的炎症」などの症状があり、先の2次性のように感染や悪性の腫瘍によるものは、四肢の付け根が閉塞、中断などされた時に発症し、 上肢部では、腋下(えきか)のリンパ節、下肢部では骨盤や鼠径(そけい)部 などの節が閉塞しやすく、主に片側だけに多くみられるようです。 また、同じ浮腫でも「静脈機能不全」による浮腫とは異なります。この浮腫は 静脈血の逆流によっておこり、心不全などを伴います。

 リンパ浮腫はだいたいが「皮フ変色がなく疼痛を伴わない」浮腫みだということも 大きな特徴と言えるでしょう。

 このリンパ浮腫は、ひとたび発症すると完治することは難しく、うまく付き合って 行かねばならない疾患だといわれています。治療の為には、何故、四肢が浮腫むのかを 正しく理解することと、日ごろから注意さえしていれば この疾患は決して恐ろしいものではないのです。


リンパ浮腫の種類

 下肢のリンパ浮腫における進行段階

第1期: 自然治癒が可能 

 圧迫した後に指で触れ、窪みがわかる。起床時などでは正常な状態に戻っている。

第2期: 自然治癒が不可能

 スポンジ状の抵抗感があり、1期の時の様な窪みが戻らなくなる。
 患部に硬さが見られる。

第3期: 予後不良

 患部がかなり太くなり、組織は抵抗性を持ち線維化する。放置は悪化の一途をたどる。
 種々の感染症、炎症などを併発する。


・ 1次性リンパ浮腫(原発性リンパ浮腫):生まれつきや突発的な原因不明な浮腫

 この疾患の多くは女性で、主に下肢に発症を見ます。原因は生まれつきにリンパ管の数 が圧倒的に少なく、リンパ液の行き場がなくなるためと言われています。

・ 2次性リンパ浮腫(続発性リンパ浮腫):乳ガンなどの手術後、2次的に発症する浮腫

 主に大手術の後などに多く見られるのが特徴のこの2次性リンパ浮腫は、先の1次性 より圧倒的に多く見られます。ガンの放射線治療や、リンパ管、節の切除、乳ガンなどでは腋下のリンパ節を切除することにより、患側の上肢が浮腫みやすくなると言われています。

・ 急性リンパ浮腫

   この疾患は患部を指などで押すと陥凹状になり、皮フ変色はまれなのが特徴です。
 3ヶ月から半年程で治癒すると言われています。この疾患の因子としては

 ・手術などによりリンパ液が漏出する。
 ・炎症などにより血管の透過性が増しタンパクが漏出する。
 ・寝たきりなどにより筋肉の筋ポンプ作用が減退する。
 ・一時的なリンパ管の側副血行路の遮断及びリンパ液の逆流。

     などです。

・ 慢性リンパ浮腫

 この疾患は非常に治癒しずらく、明らかな皮フの変調が3ヶ月以上続くのが特徴だと言われます。これにより生体が衰弱、変形が見られ、脂肪・リンパ管炎、ごくまれに、リンパ肉腫を起こすようです。四肢のリンパ液が浮腫みによるリンパ経路の閉塞で更に液が滞るというこの疾患の因子としては

 ・リンパ管、節における感染、傷害及び腫瘍の再発、進行。
 ・寝たきり。
 ・放射線治療及び手術。
 ・血中アルブミンが低下(糖尿病、腎臓病、肝疾患、高血圧、鬱血性心不全)。
 ・リンパ系手術後のリハビリ不足。
 ・栄養不足。
 ・腸捻転などによる、タンパク質吸収及び代謝異常。
 ・リンパ液漏出によるたんぱく質不足(出血、貧血、脱水など)

    があると言われます。

 初期の頃は浮腫みも柔らかく、軽い運動やサポーターなどによる圧迫で比較的簡単に改善するようです。しかし、ひとたび慢性化してしまうと、炎症やリンパ液が鬱滞し皮フは変色し黒ずみ硬くなってしまいます。ここまでになると、押してもへこまなくなり、圧迫などでは改善の見込みがないと言われています。


リンパ浮腫の原因

 リンパ浮腫に対する有害因子
・ガン細胞などに対する放射線治療及び、リンパ節切除術。
・四肢の悪性黒色腫に対する放射線治療及び、リンパ節切除術。
・骨盤放射線治療及び、手術(前立腺ガンなど)。
・進行性の睾丸ガン。
・婦人科系の進行性ガン、放射線治療及び、リンパ節切除術。
・転移性のガン(卵巣、大腸、肝臓、膵臓ガン)


リンパ浮腫の予防策

下肢リンパ浮腫の予防策

・下肢、腹部及び外陰部に浮腫みを感じたら、最寄りの医者に相談する。
・患側には絶対注射針などで、傷をつけない。
・患側を清潔に保つ。
・患側では力むような繰り返し運動はしない。
・きつめのバンドがついた衣類は着用しない。
・サウナや入浴時の急激な温度変化を避け、また下肢を日光にさらさない。
・感染に注意が必要な為、打撲、熱傷などの外傷を避ける。
・指先の甘皮などにも注意する(マニキュアなど)
・医者との相談のうえ、適度に運動する。もし痛みがでたら横になり患側を高く保つ。
 (ウォーキング、水泳、軽いエアロビクス、自転車などがよいとされる)
・飛行機に乗る際は適度な圧迫ストッキングを使用する。長時間のフライトにはたくさんの水分をとり患側には弾性帯を使用する。
・脱毛などの際は電気カミソリを使用する。
・歩行時は患部圧迫の為、必ず適当な圧迫ストッキングを使用する。
・発疹、かゆみ、疼痛、発熱が起こった時は速やかに医者に相談する。(悪化の兆し)
・バランスのよい食生活を心がけ理想体重を維持する。(喫煙、アルコール類を避け、低 塩分で高タンパクの食事。鶏肉や豆腐類、白身魚など、また食物線維もいいとされる)
・足にフィットする靴を履く。サンダル類など素足はよくなく、ハイカットなどの深靴がよいとされる。また、水泳など後は足をよく乾燥させる。
・年に1度は、足の専門医などの診察を受け、真菌、たこ、圧迫部、白せん菌(水虫)などのチェックと治療。
・靴下、ストッキング類は常に清潔に保つ。
・たくさんの汗をかいた時などには、パウダー類を使用する。圧迫ストッキング類などもスムーズにはくことができ、また膝の裏などに使用すれば、かぶれや摩擦を防ぐことができる。


:栄養不良や肥満体質、また寝たきりなどの人はリンパ浮腫になりやすい傾向にあるようです。このような人を早期発見し予防の自己管理を指導することが大事です。次のような項目を観察します。

・理想体重維持
・四肢の太さの計測
・アルブミン測定
・日常生活の活量
・浮腫などの危険因子
・糖尿病、高血圧、肝疾患、腎疾患などの併発


リンパ浮腫の治療法

 複合理学療法的治療

1.治療の基本 
 ・患部の浮腫みを軽減させて、また現状の太さの維持に努める。
 ・理想体重の維持。
 ・感染症などが併発した場合、入院治療も視野に入れる(蜂巣炎など)

2.治療の手段
 ・感染症予防のため皮フを清潔に保つ。
 ・リンパ液の循環促進のため医療リンパドレナージ(マッサージ)を行う。
 ・圧迫療法(弾性包帯、バンテージなど使用)を行う。
 ・浮腫み緩和のための運動療法。 

 リンパ浮腫は完全治癒は困難と言われていますが、上記の他自分でもマッサージなどを行うことにより悪化防止をすることができるようです。

【保存療法】
保存療法とは「外科手術以外の療法」つまり、マッサージ、運動療法、サポーターやバンデージなどを用いた療法です。これにより、組織の繊維化、硬直など「慢性化」 を遅れせることができると言われています。しかし、細菌類などによる感染症が発症した場合は適切な抗菌剤を服用するべきだと思われます。また、血液学的検査も行い、静脈血栓などの有無も調るべきです。血栓がある場合はマッサージ療法などの時静脈血がつまってしまうためです。この際は、血栓溶解剤が効果的とされています。水分過剰摂取の時のみは利尿剤を用いる場合もあります。それ以外では、アルブミン(血漿タンパク)などを貯留しておかねばならないため用いません。 栄養状態にも注意が必要です。理想体重を維持し、高タンパクの食事を心がけ ます。特に低アルブミン血症などに注意し(間質に組織液がたまりやすくなる) 2.5g/dl以上に日頃から保つようにします。また正しいサプリメント類を使用するのもいいとされています。 リンパ浮腫は重だるい感覚、神経圧迫、四肢の萎縮、筋肉の緊縛による痛みがでます。 これらは、鎮痛剤(非麻薬性)、ストレッチ、補助的薬物の使用により軽減できると 言われています。 栄養状態が悪くなっている患部は壊死しやすくなるため皮フ状態を(特に骨の出っ張り) 毎日注意するべきです。 慢性化した浮腫は完全治癒は困難とされます。大切なことは、正しい知識を身につけ 医療関係者と共にこの障害と生きていくことです。

【外科的手術】
四肢の繊維化した皮下組織を切除し皮フ移植をしたり、また浮腫そのものを 切除し、リンパ液の循環をよくする術法がありますが、残念ながら効果、改善は あまり見られないようです。しかも、組織の壊死や感染症、感覚鈍麻など様々な 合併症の併発の恐れがあるため、とくにガンの患者さんには適しません。 やはりリンパ浮腫の完全治癒は難しく、基本的には患部の周径を弾性の衣類や 包帯を用い、細くしていくこと及び維持することです。 これらは根気よく続けていくうちに、必ず効果が出てくると言われています。 しかし、途中でやめてしまうとまた悪化してしまうので、 根気よく、ある程度細い状態の維持を心がけるのが大切のようです。