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緑内障とは

緑内障は、何らかの原因で視神経が障害され視野(見える範囲)が狭くなる病気で、眼圧の上昇がその病因の一つと言われています。

が物を見ることができるのは、角膜・水晶体を通し網膜上で結んだ像の情報が、眼球から脳に向かって伸びている「視神経」に入り、脳に色や形の情報を送るからで、この緑内障の視神経の異常は、眼圧[がんあつ](眼の中の圧力)が上昇したり、眼圧が正常でも視神経が圧力に絶えられなくなりつぶされてしまうときに起きます。放っておくと、見える範囲が少なくなったり視力が落ちたりして失明してしまいます。

目をカメラにたとえると、外から入った光は角膜、虹彩、水晶体、硝子体を通り、フィルムの働きをする網膜にピントが合うしくみになっています。網膜で受けた光は、ここで電気の信号に変わり、視神経を伝わって脳の視覚中枢に到達して、はじめて私たちはものを見ることができます。
この順路のどこにトラブルがおこっても、ものを正常に見ることはできません。緑内障はそのうちの視神経が、おもに眼圧によっておかされて、ものが見えにくくなる病気です。

眼の中の圧力(眼圧)が高くなり、眼内の血液循環が悪くなって視神経が障害され、視野異常や視力低下をおこす病気で「開放隅角緑内障」「閉塞隅角緑内障」があります。

隅角の異常の原因によって緑内障は、「原発緑内障」(原因がはっきりしないもの)、「続発緑内障」(他の病気にひき続いておこるもの)、「先天緑内障」(隅角の先天異常)の大きく3つの種類に分けられます。

●眼圧が高くない緑内障

眼圧とは簡単にいうと目の硬さのことで、その硬さがほぼ一定であるために、目は球形に保たれています。ふつう眼圧は15㎜Hg前後ですが、緑内障の患者さんでは21㎜Hgをこえる場合が多く、そのためこれまでは、眼圧の上昇が緑内障の一番大きな原因として考えられていました。
しかし、高齢化にともなって緑内障の患者さんが増えるにつれ、眼圧が正常(10㎜Hg~20㎜Hg)かやや高い値でも緑内障になることがわかってきました。
このタイプの緑内障は視神経の強度が関係しているとみられ、日本のみならず最近では欧米でも注目されています。

●眼の構造と機能

眼の構造とその機能についての基本的な知識を知ることが緑内障の理解の第一歩です。越した基本的な知識を得ていれば、眼の状態と治療に関して眼科医と相談することが遥かに容易になります。

眼をカメラに見立ててみましょう。カメラと同様に眼は、形、色、動きなどの情報を捕捉して脳に伝達します。脳はこの情報を合成して「像」を作ります。人間のカメラ=眼の構造を見てみましょう。眼球の外側を強膜といいます。強膜は眼を保護する丈夫な皮で、目の白い部分に当たります。皮の内側を角膜といいます。
角膜は光が目に入る透明な組織です。角膜はカメラのレンズのように目に入ってくる光に対する焦点力を持ちます。目の色のある部分を虹彩といいます。虹彩は目をブルー、ブラウンに見えるようするだけでなく、カメラのしぼりと同じ役割をします。交際は瞳孔の大きさを調節する筋肉を持っていて、目に入ってくる光の量を調節します。虹彩中央の黒い部分を瞳孔といい、光の量に応じて開いたり閉じたりします。

光の量が多いときは小さくなって、目の内側にある網膜に到達する光の量を調節します。光の量が少ないときには虹彩が瞳孔と拡張させて、もっと多くの光が目に入れるようにします。虹彩の後ろにある水晶体は形と厚みを調節して、像が網膜に結ばれるように焦点をあわせる。網膜に結ばれた像は視神経を伝って神経信号とつながって、脳からこの信号を合成して見られる像すなわち「写真」を作り出します。

目の内部には硝子体というゼリー状の組織の物質に満たされており、この硝子体に満ちた目の内部を硝子体腔といいます。目の前方区域すなわち眼前房は角膜、虹彩、瞳孔、水晶体からなる部分です。
眼前房は房水という水のような液体で満たされています。この房水は角膜と水晶体に酸素と栄養分を供給します。また房水は目の形を維持するのに必要な圧力をも提供するわけですが、この圧力を「眼圧」といいます。眼圧を適切に保つことは視力を守るのにとても大切です。眼圧を測定するのは眼科医が緑内障を診断する方法のひとつです。


緑内障の種類

緑内障には、眼圧が上昇するタイプと、上昇しないタイプがあります。眼圧が上昇する原因は、角膜と水晶体の間にある「房水(ぼうすい)」という液体が作られる量と排出される量がアンバランスになるからです。そのバランスが崩れる原因の違いによってさらに、「閉塞型緑内障」と「開放型緑内障」に分けられます。眼圧が上昇しないタイプは、「正常眼圧緑内障」と呼ばれます。

原因となる病気がないのに単独で起こる原発性緑内障には、状態や眼圧により次のように分けられます。

【原発開放隅角緑内障】

隅角に異常はないのに房水の流れが悪くなって眼圧が高くなるタイプで、慢性型の緑内障です。両眼性の疾患ですが、一般には進行の程度はそれぞれ違ってきます。高齢者の失明の重要な原因の一つです。

(慢性型の開放隅角緑内障)
房水の出口は空いているが、目詰まりしたような状態になって排水がうまくいかず、眼圧が高くなるもので、緑内障でいちばん多いタイプです。自覚症状がほとんどなく、少しずつ目の機能が侵されて行きます。

【正常眼圧緑内障】

慢性型緑内障の病型の一つで、眼圧は正常範囲内にあるのに視神経障害、視野障害が起こります。日本人では緑内障全体の過半数がこのタイプだと推測されています。

【原発閉塞隅角緑内障】

隅角が閉塞して房水が眼内にあふれて眼圧が急上昇します。急性型の緑内障で、興奮した時や長時間読書をしたとき、カゼ薬や胃の検査のバリウムを使用したときなどに眼圧が高くなる傾向があります。

(慢性型の閉塞隅角緑内障)
房水の出口がふさがれてしまうようなタイプの緑内障を閉塞隅角緑内障です。急性型の緑内障は、もともと房水が流れる空間が狭い人に起こりやすく、急に激しい頭痛、目の痛み、腹痛、嘔吐などにおそわれます。治療が遅れると数日で失明することもあります。

(慢性型の閉塞隅角緑内障)
閉塞隅角緑内障で、房水の出口は完全にふさがっていないけれども、排水が悪く、慢性的に高い眼圧が続くタイプです。自覚症状がほとんどなく、少しずつ網膜や視神経などがおかされます。

【先天性緑内障】
隅角の発育不全で起こります。急性の症状を呈することがほとんどです。

【高眼圧症】
眼圧は21mmHg以上と高いにもかかわらず、視神経障害、視野障害の発症しないものをいいます。

【合併症として起こる続発性緑内障】

病気の合併症で発症します。例えば、糖尿病性網膜症の末期では、血管が隅角を覆って眼圧が高くなることがあります。白内障でも水晶体が膨らみ隅角を圧迫して起こることがあります。ほかに炎症性の目の疾患や、ボールがぶつかるなどの外傷、ステロイドホルモン剤の副作用などでも眼圧は高くなり、放置すると緑内障になることがあります。


緑内障の症状

緑内障は視神経が障害される病気です。視神経は視神経乳頭から束になって脳につながっています。眼圧によって視神経がおかされると徐々に消失してしまい、その部分の情報は脳に伝わらずに視野が欠けてしまいます。

この変化は大変ゆっくりなので、緑内障の初期には自覚症状はほとんどありません。何年もときには何十年もかかって、視神経の線維の半分が無くなってはじめて、視野の異常に気づくのがふつうです。

また、私達は、片方の目の視野が欠けても、もう片方の目でカバーしますので、緑内障がかなり進行するまで、見えにくいとは感じずに過ごしてしまうのです。見え方がおかしいと気づいたときには、緑内障は相当進んでいると考えられます。

緑内障の症状には、急に眼が痛くなり視界がかすみ、頭痛や吐き気を起こすものと、ほとんど自覚症状のないまま病気が進行してしまうものとがあります。緑内障といえば「目が痛くなったり頭痛がする」といわれていますが、実はこの自覚症状のない緑内障の患者が大多数なのです。

緑内障でいったん障害された視神経は回復させることができません。ですから、できるだけ早期に発見しそれ以上悪くしないことが大切です。今では、眼圧検査・隅角検査・視神経の検査や視野検査により、ほとんど早期に発見できるようになりました。

ただし例外は、急性の閉塞隅角緑内障の発作がおきたときです。目が充血して強い目の痛みや、頭痛におそわれ、吐き気がして急に目が見えにくくなるといった症状に見舞われたら、直ちに眼科を受診することが大切です。そのままにしておくと数日で失明する恐れがあります。

【急性型】

突然、激しい頭痛・目の痛み・腹痛・嘔吐などにおそわれるのが急性型の緑内障で、中年以降の女性に多いのが特徴です。腹痛・嘔吐などの症状から内科に運ばれる場合があるので注意が必要です。「目も痛みます」と訴えることが大切で、目の治療が遅れると、数日で失明することがあります。軽い頭痛・目の痛み・虹視症など、前触れを経験する人もいます。虹視症というのは、電灯のまわりに虹のような輪が見えること。こうした症状が出たら、早めに受診することが大切です。

【慢性型】

慢性型の緑内障は自覚症状がほとんどなく、視野が欠けるとか、視力が落ちるなどの症状が出てきた時にはかなり進行しています。緑内障の9割以上はこの慢性型で、放っておくと、10年20年と長い間に少しずつ視神経が侵されて行きます。40歳を過ぎたら成人病検診と同じように、眼科で緑内障の定期検査を受けることも大切です。また、遺伝する場合もあるので、血縁に緑内障の人がいたら眼科で検査を受けた方が良いでしょう。

緑内障を発症メカニズムで分けると、大きく2つのタイプがあります。

【閉塞型緑内障】(閉塞隅角緑内障)

正常な眼では角膜と水晶体の間にある房水[ぼうすい]という液体が、絶えず生成され、排出されており、そのバランスから圧力が保たれていますが、このタイプは、房水の排出口がふさがれて、房水が貯まり眼圧が上がり視神経を圧迫し、視野や視力に異常が起こります。
慢性的な経過の一方で、急性発作を起こすものもあります。房水の排出口が急にふさがり、眼圧が上昇し急に目が痛くなり充血し、視界はかすみ頭痛や吐き気もしてきます。
ひどい場合には、放置すると失明してしまうこともあります。このような急性発作の方の場合、過去にときどき目が痛んだり視界がかすむといった一過性の症状の起きたことのある方も少なくありません。早めに眼科医の診察を受けることが必要です。

【開放型緑内障】

緑内障は、角膜と水晶体の間にある房水が、うまく排出されないと起こりますが、排出口は開いているのにその奥の排水管が目詰まりし、眼圧が上昇し、慢性的に視神経が圧迫されます。排出口が開いているので『開放型の緑内障』(開放隅角緑内障)といいます。
開放型緑内障は肩こりや目の疲れを訴える方もいますがほとんど無症状です。

【自覚症状のない慢性型】

 原発閉塞隅角緑内障では急な眼圧の上昇により、突然に眼痛、頭痛、吐気、目のかすみなどの激しい急性発作が起こることがあります。緑内障の発作とわからないで、内科を受診するよくいます。ときには一晩で失明するほど症状が急激な場合もあるので、一刻も早く眼科医の手当てを受けることが大切です。

(慢性緑内障の進行経過)

[極早期]
高い眼圧により視神経は侵されているのですが、症状はありません。視神経は100万~120万本あり、半分くらい萎縮しても視野障害は起こりません。

[初期]
視野の中心より少しずれた箇所に視野の欠ける暗点が出現します。不便さはないので、気がつかないことが多く、検査をしてやっと発見できます。

[中期]
暗点が拡大するとともに、鼻側の視野も欠けてきます。視野の4分の1ほどが欠けると気づくことが多くなります。ただし、鼻側の視野は両方の目で補い合っているので、気づかない人も少なくありません。視神経の萎縮の6~7割以上を超えると、視野障害は急速に進みます。

[末期]
視野は周辺部から徐々に欠けていく傾向があります。文字やテレビの画面が欠けて見えたり、人によくぶつかったりするようになります。視力のよさと視野障害の進行とは関係ありません。


緑内障の合併症

手術後の合併症として約10%の症例に白内障、低眼圧横斑症などが起こり、視力低下の可能性があるといわれています。術後は点眼薬の使用は必要なくなることがありますが、眼圧によっては続けます。

【緑内障手術・合併症】

(視力低下)
緑内障の患者は一般に中心の視力が良好な場合が多いので、術後視力が多少低下することがあります。白内障が出現したり、元来ある白内障が進行したりするのが一因です。また、黄斑浮腫によることもあります。更に特に異常がないのに「かすみ」を感じる方もいます。

(前房出血)
これはこの手術が通常に行われた場合には起こりうるものです。通常2-3日で消失しますが、1週間以上続く場合もあります。その後、出血の吸収過程で一過性の眼圧上昇をみることがあります。術後眼圧の変動がみられ、2-3ヶ月で安定化することが多いです。それまでは眼圧の変動に注意して頻回に通院する必要があります。

(浅前房、前房消失)
これは一定の深さをもった前房が浅くなったり全く消失する状態で、前房という空間内の液体の流入と流出のバランスが一時的に崩れた結果です。また次に述べる脈絡膜剥離も一因となります。通常は1週間程で正常化しますが中には数週間かかる場合があります。

(脈絡膜剥離)
術後、眼圧が低くなると眼の奥の脈絡膜の血管から液体が漏出して、この膜が腫れて膨隆する状態を言います。これは高血圧や糖尿病等の全身状態とも関連しています。後方から眼の組織を圧迫するので上述した浅前房や前房消失の原因になります。通常は完全に吸収されますが2~3週間位かかります。

(感染症)
術直後の感染症は極めて稀です。しかし、晩期感染症といって濾過胞(眼外の結膜下に創傷を通って流出した房水が作る結膜の水疱のことで、手術の良い結果を示す所見)が後に感染を起こす場合が2%~6%稀にあります。それゆえに緑内障手術後は定期的な眼科検査が必要で、急にかすみが出た場合や眼痛、充血のおこってきた場合には、すぐに眼科受診が必要です。眼内での炎症が長期間続くと重篤な視力障害をもたらすことがあります。

(濾過胞形成不全)
線維柱帯切除術では結膜下との通路を形成したのちに房水の流れを調節するために強膜を縫合します。この糸のしまり具合によってろ過量が不十分でろ過胞が形成不全を起こすことがあります。しかし、最近では縫合糸をレーザーで比較的簡便に切ることができるようになったので、術後ろ過胞が小さく眼圧が高値で推移する場合にはレーザーによる縫合糸切糸が行われます。ろ過胞は術後数年のうちに瘢痕化してきて機能不全に成る場合があり、それにより眼圧上昇をきたすときには再手術をしなければなりません。
全ての合併症を記載することは不可能で、また頻度も稀なものが多く正確な数値は不明なため、このリストは不完全です。

(一過性眼圧上昇)
前房出血が吸収されるときに眼圧が上昇することがあります。しかし、この眼圧上昇一過性であり、1-2週間で安定化します。


緑内障の原因

眼圧は、房水という透明な液体が循環することで、正常な眼圧を保っています。房水は毛様体というところでつくられ、後房から前房を経て隅角にある房水排出口から眼の外に流れるという循環経路をとっています。
何らかの原因で眼球内の体液である房水の排出が停滞すると眼圧は上昇します。停滞する原因の一つは、房水の排出口に当たる隅角が狭くなり、虹彩と接触してふさがれてしまい房水がたまりすぎて眼圧が高くなり緑内障がおこります。

ただし、隅角には何かの異常も見当たらないのに眼圧が高くなる人もいます。むしろ、こちらの人のほうがはるかに多いのですが、眼圧がなぜ高くなるかわかっていません。

眼圧が適正範囲であっても、視神経が侵される正常眼圧緑内障もあります。主として眼圧に対する視神経の耐性が弱い人に起こるとされていますが、ほかにも原因があると考えられています。

緑内障の新しい原因説として浮上してきたものの一つに、視神経に栄養を供給している血管に何らかの障害が発生する血流障害説があります。栄養不足で視神経が萎縮するわけです。もう一つは緑内障遺伝子関与説で、緑内障特有の遺伝子がいくつか発見されたというものです。その遺伝子が循環を障害するのか視神経の弱さに関係するのかまだ不明です。しかも、緑内障の人に存在している確率自体も数パーセントですが、次々と発見される可能性もあります。

【開放隅角緑内障】
隅角は正常なのに排出路の機能が悪いために房水の流出が滞り、眼圧が慢性的に軽度 上昇しおこります。

【閉塞隅角緑内障】
体質的に狭くなっていた隅角がなんらかのきっかけでふさがれてしまうために急激に眼圧が上昇します。


緑内障の予防策

● ときどき片目でものを見て視野をチェックする。
● 開放隅角緑内障は自覚症状がないので、健診を定期的に受け早期発見、早期治療を心がける。
● 自覚症状がないので早期発見で手おくれにならないように注意する。

中高年に多い原発開放隅角緑内障は、発病して失明にいたるまでには30年前後もかかります。また慢性の原発閉塞隅角緑内障も、ゆっくり進行するので自覚症状はあまりありません。どちらのタイプの緑内障も自分では気づきにくく、気づいたときには悪化していて視力の大半を失うことさえあります。 こうした不幸な結果を防ぐためには、定期検査による早期発見・早期治療が大切で、それも眼科専門医による眼圧検査・眼底検査・視野検査が必要です。

40歳を過ぎたら、1年に1回、最低でも3年に1回は、眼科で緑内障の定期検査を受けることが大切です。血縁者に緑内障の患者さんがいる方は特に注意が必要です。


緑内障の治療法

緑内障の治療方法は、どれも眼圧を下げ、病気の進行を止めるためのもので、緑内障のタイプ、進行の具合によって、治療方法が違ってきます。たとえば、慢性型の開放隅角緑内障の場合には、まず点眼薬での治療。同じ慢性型でも閉塞隅角緑内障の場合は、最初にレーザー光線治療が行われます。

視神経は、一度そこなわれると回復することはできません。そのため緑内障の治療の目的は、緑内障がそれ以上進まないようにすることです。早期に発見して、より早く治療を始めることが、緑内障による失明を防ぐ決め手となります。

【点眼薬と内服薬】

治療の原則は点眼薬で、点眼薬と内服薬によって眼圧をコントロールします。緑内障の点眼薬には2種類あります。ひとつは房水の産生をおさえるもの、もうひとつは房水の流出をよくするもので、どちらも眼圧を低下させるのが目的です。
点眼薬は、患者の様子をみて、低濃度から高濃度のものに変更することがあります。また点眼薬が2種類以上に増えることもあります。眼圧を低下させるために、内服薬を使うこともありますが、副作用があるため長期間は使用できません。
最近の緑内障の点眼薬は、目や全身への副作用が少なくなりましたが、異常を感じたらすぐに眼科医に相談することが大切です。また、喘息、心臓病、腎臓病などの持病のある場合も、必ず眼科医と十分相談してから薬物療法を行うことが重要です。

(点眼の注意)
■点眼の回数や量を守る。
■1回の点眼は1滴で十分です。
■点眼した後は目頭を軽く抑える。
■2つ以上の目薬を使用するときは5分以上間隔をあけて点眼する。

【レーザー光線治療】

薬物療法だけでは眼圧が下がらない場合、レーザー治療を考えます。メスの替わりにレーザー光を用いるので、眼球に切開を加えずにすみます。
閉塞隅角緑内障では、レーザー光線で虹彩に穴を開けて房水の通り道をつくったり、出口を開けたりします。開放隅角緑内障では、目詰まりの部分の通りをよくします。痛みはまったくなく、外来で簡単に済む治療です。しかしレーザー治療はどのタイプの緑内障にも適応できるわけではなく、眼科医との十分な相談が必要です。

【手術は最終手段】

薬物療法やレーザー治療でも効果が思わしくないときに行います。眼球を切開して房水が通る道を拡げたり、新しくつくったりして眼圧を下げますが、ときに再手術が必要になることもあります。
先天緑内障や急性の閉塞隅角緑内障では、まず手術治療を選択します。近年の医学の進歩によって緑内障の手術は安全・確実になり、安心して手術が受けられます。

(閉塞型緑内障の治療)

閉塞型の緑内障では、排出口を閉じている虹彩(茶目の部分)をレーザーで穴を開け通りをよくします。これをレーザー虹彩切開術といいます。外来で行うことができ入院の必要もありません。
閉塞型では症状があらわれていないほうの目もいずれは発症する可能性が高いので、予防的に治療が必要です。
レーザーで手術をしても眼圧が下がらないときは、さらに眼圧を下げる薬(点眼薬や内服薬)を使います。急性発作の場合にも治療は同じです。
それでも十分でない場合は新しく排出口や排水管を作る手術を行います。

(開放型緑内障の治療)
緑内障治療の目的は、眼圧を下げ視神経がそれ以上つぶれないようにすることです。開放型の場合、まず眼圧を下げる点眼薬を用い、不十分なときには内服薬も併用します。それでも良くならない場合には、レーザー治療や手術をします。
それには、レーザーで排水管の目詰まりを減らすレーザートラベクロプラスティーと、新しく排水管を作る手術の線維柱帯切除術とがあります。レーザー治療は外来でできますが、目詰まりの強い方では効果が上がらない場合もあります。
一方の、新しく排水管を作る手術では目にメスを入れることになりますので入院が必要ですが、眼圧がよく下がります。ただし、眼圧が下がり過ぎたり、白内障が進みやすくなったりする弊害もあります。ですから、眼圧だけではなく視野や視神経の状態を総合的に判断して治療法が決定されます。