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大腸がんとは 大腸がんの種類 大腸がんの症状 大腸がんの原因
大腸がんの予防策 大腸がんの治療法

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大腸がんとは

大腸がんは、大腸に発生するがんの総称であり、がんのできる部位よっていくつかの種類があります。大腸は盲腸からはじまり、上に向かったところが上行結腸、次いで水平に横たわっている部分が横行結腸、 下に向かう下行結腸、S字状にまがっているS状結腸、そして肛門に続く15cmほどのまっすぐな部分を直腸です。
大腸がんは腫瘍ができたそれぞれの部位によって、盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん、下行結腸がん、S状結腸がん、直腸がんと呼びます。
日本人に多い大腸がんは、直腸がん(全体の約50%)、S状結腸がん、上行結腸がんの順になります。 大腸がんは、食生活の欧米化した日本では増加傾向にあり、2015年までに胃がんを抜くという予想もされています。高脂肪食による胆汁酸の組成の変化などがその一因と考えられます。 また、大腸がんによる死亡も、男性では肺がん、肝臓がんについで3番目、女性では1番多くなると予想されています。 大腸がんの発生を年齢別に見ると、60歳代が最も多く、次いで50歳代、70歳代の順です。20~40歳代の若年者の大腸がんは、家族や血縁者のあいだで多発するといった特徴があります。

●大腸がんの予後
大腸がんは、初期のうちに見つかれば、95%が手術で完治します。しかし進行すると、リンパ節転移、血行性転移を介して他の臓器を侵します。とくに肝転移が多く、腹膜転移もみられます。 ステージ型分類での5年生存率は、がんが大腸壁内にとどまっているか越えても近隣臓器に及んでいない0~Ⅱ期で95%以上、Ⅲ期のリンパ節転移があっても約70%ほどですが、肝臓、肺、腹膜などに遠隔転移したⅣ期では23%ほどに一気に低下します。


大腸がんの種類

大腸がんの種類は、発生部位、進行度合、形状、病理組織などの面から、それぞれいくつかに分類できます。

●発生部位による分類
発生する場所に折、盲腸がん、上行結腸がん、横行結腸がん、下行結腸がん、S状結腸がん、直腸がんに分類できます。このうち、直腸がんは全体の約50%、S状結腸がんは20%と、このふたつで全体の70%を占めます。理由の一つに、便が固くなる部位ほど粘膜の損傷が激しいと考えられます。

●進行度合(深達度)による分類
早期がん:大腸粘膜や粘膜下層に限定される場合
進行がん:固有筋層や漿膜下層まで浸潤している場合
末期がん:進行がんの中でも漿膜を超えている場合や、隣接臓器へ浸潤している場合

●進行度合(ステージ型)による分類
0期:がんが大腸壁内にとどまっている場合
Ⅱ期:がんが大腸壁を越えても近隣臓器に及んでいない場合
Ⅲ期:リンパ節転移があるもの
Ⅳ期:肝臓、肺、腹膜などに遠隔転移したもの

●がんの形状による分類
1型:盛り上がりだけで潰瘍のない型です。
2型:潰瘍があってもがんの範囲が限られている型で、大腸がんの多くがこのタイプです。
3型:潰瘍がくずれて、がんが広がっている型です。
4型:がんが表面に顔を出さずに胃の壁にそって進むタイプです。浸潤性が強く、早期に   転移が見られます。

●病理組織上の分類
病理組織上では、がんは「腺がん」、「扁平上皮癌」、「腺扁平上皮癌」に分けられます。
「腺がん」は、がん細胞が腺腔を形成している、粘液が多くみられるもので、大腸がんの大半を占めます。さらにその中の8割が、顕微鏡で見たときに正常細胞に近い形をした「高分化型腺がん」です。大腸粘膜や粘膜下層に限定される場合が多く、比較的予後が良いものです。一方、顕微鏡で見て形が明瞭でない未成熟な「低分化型腺がん」は、悪性度の高い高速に増殖するタイプで、がんが小さく浅くても転移していることが多く、概して予後は良くないといえます。
「扁平上皮がん」は、がん細胞ががん病巣の中心に向かって扁平化し、そこに分化の段階がみられるような組織像のがんです。


大腸がんの症状

早期の大腸がんでは、特徴的な症状はまずありません。大腸がんが進行すると、部位によってさまざまな症状がでてきます。 たとえば左側の下行結腸は便を固形化するところなので、そこにがんができると便の通過が困難になりやすく、便秘や下痢が交互に起こったり、腹痛、出血も起こる場合が多くみられます。また、腸閉塞が起きやすいのも下行結腸がんの特徴です。右側の上行結腸がんの場合は、便を液状にするところなので、多くは下痢になり、右下腹部に痛みがあらわれ貧血なども起こります。
直腸がんのように肛門に近い部位にがんができた場合、排便の際に肛門から出血する場合がありますが、この症状は痔核と思われて放置されることがあります。がんによる血便では肛門痛がなく、暗赤色の血液が便に混じったり、ときに黒い血塊が出るなどの特徴があります。結腸がんは日本では比較的少なかったのですが、近年の食事の欧米化により増加しています。
大腸がんは症状によって病気のおおよその部位の見当をつけることができますが、いずれにしてもこうした症状は大腸がんがかなり進行して出てくるものなので、40歳になったら大腸がん検診を受けることをお勧めします。


大腸がんの原因

大腸がんのはっきりとした原因はまだよくわかっていませんが、環境や食習慣が大きく影響していると考えられます。特に動物性脂肪やタンパク質の取り過ぎが原因ではないかとされ、実際、わが国でも食習慣が西洋化して脂肪の摂取量が増えてくるに従って、男女ともに大腸がんの発生率や死亡率が増えてきています。動物性の脂肪を摂ると、消化を助けるために胆汁酸が多く分泌されますが、脂肪の消化の際に発生する物質のなかに発がん物質があり、大腸の粘膜にがんが発生すると考えられています。また、便秘などにより腸内に宿便が溜まると、腸内悪玉菌により腐敗して毒素を発生し、滞留便やそうした有害物質が腸管の粘膜を刺激しているうちに発がんに至るという説も有力です。大腸がんの発生が、下に行けばいくほど、つまり便の滞留が増えてくる場所ほど高いということがその裏づけです。
なお、遺伝による大腸がんの発症は、全体の5%前後だといわれ、特に40歳以下の若年者の大腸がんに多いようです。また、大腸ポリプには、大腸がんになりやすいものと心配のないものとがあり、何らかの条件が揃ってそのうちの一部ががん化すると考えられます。

大腸がんになりやすい危険因子には、次のようなものが挙げられます。
1)便秘症である
2)野菜など食物繊維を多く含む食物をあまり食べない
3)肉や乳製品を多く食べる
4)過去に大腸ポリープができたことがある
5)家族や親戚に大腸がんにかかったひとがいる
7)長い間潰瘍性大腸炎にかかっている
8)治りにくい痔瘻がある
9)ビールを大量に飲む
10)ストレスや不規則な生活


大腸がんの予防策

大腸がんの発生と食生活には密接な関係があるといわれており、大腸がんの予防には、こうした食生活を含めた発症の原因と考えられる危険因子を減らすことです。
具体的には、
1)便秘にならないこと、または改善すること
2)野菜や果物、いも類、豆類、海藻、キノコ、穀物などを充分摂ること
3)肉や乳製品など、動物性高脂肪の摂取を極力控えること
4)活性酸素を除去する抗酸化物質(ビタミンC、E、ポリフェノール、カロチノイド、イソフラボンなど)を充分に摂る
5)潰瘍性大腸炎などを改善する
6)痔瘻などの痔疾患を早く治す
7)アルコール、特にビールを控える
8)煙草は吸わない
9)睡眠と休息をたっぷりとる
10)ストレスを溜め込まず、規則正しい生活をする

なお、野菜や果物を食べることは、従来大腸がんの予防として真っ先に挙げられていましたが、最近の厚生労働省研究班やヨーロッパにおける大規模な疫学調査などで、野菜や食物繊維と大腸がん発生とに関連性がないと相次いで報告されています。が、野菜や果物、食物繊維は抗酸化作用、有害物質の排除、便秘の予防などに効力があり、また他のがん、慢性疾患に対する有効性も否定できないため、大腸がんの予防法として掲載いたしました。(http://www.sis-web.co.jp/hbs/hbs-news050511-03.html)

大腸がんは初期の段階、つまり粘膜にとどまっている状態であれば、ほとんど100%完治が可能です。逆に、早期の大腸がんでは、ほとんで症状が出ません。40歳以上の方や、家族に大腸がんにかかった人がいる方、大腸ポリープがあった方、潰瘍性大腸炎をわずらっている方などは、特に定期健診を徹底すべきです。


大腸がんの治療法

大腸がんの治療法は、主にステージ(がんの進行状況)によって異なります。 初期の大腸がんで、腫瘍が粘膜内にある場合は、「内視鏡的治療」が優先されます。 粘膜下に腫瘍が入り込んでいる場合は、「手術療法」を用います。 腫瘍を切除できないもの、あるいは切除後に微細ながん細胞が残っていると考えられる場合は、「化学療法」や「放射線療法」も実施されます。

●内視鏡的治療
 大腸の早期がんは、開腹せずに内視鏡カメラを使って治療できるケースがほとんどです。大腸の早期がんには、ポリープからがん化するものと、最初からがんで発生し平坦で見つけにくいものの2種類があることが知られていますが、いずれにしても熟練した専門医による内視鏡検査が、発見と治療に欠かせません。
大きさが1cm以下のポリープは外来で日帰り治療も可能です。2cm以上の大きなポリープでも内視鏡治療が可能ですが、大きなポリープは術後の安静が必要なため数日間の入院が必要です。 以前はEMR後の病理検査の結果、粘膜下浸潤がん(smがん、図6)であれば外科手術していましたが、EMR後に手術したsmがんのうちリンパ節に転移があったのは4%のみでした。最近ではsmがんでもsm浸潤距離が1mm以下でがん細胞がリンパ管や血管に顔を出しておらず、標本の切れ端にがん細胞がなければリンパ節に転移した人はないことがわかってきました。そこで上記の3つの条件をすべて満たしておれば手術をせずに定期的に検査を行って経過観察しています。これまではEMR後に外科手術していたsmがんの21%が不必要な手術をせずに内視鏡治療だけで治っています。

●手術療法
「結腸がん」の治療は外科療法が基本で、早期がんの場合でも7割は開腹手術が必要です。結腸がんの場合、どの部位の手術でも手術自体は2時間前後で行うことができます。切除する結腸の量が多くても、術後の機能障害はほとんどおこりません。リンパ節郭清とともに結腸切除術が行われます。 直腸は骨盤内の深く狭いところにあり、直腸の周囲には前立腺・膀胱・子宮・卵巣などの泌尿生殖器があります。排便、排尿、性機能など日常生活の上で極めて重要な機能は、骨盤内の自律神経という細い神経繊維によって支配されています。進んでいない直腸がんには、自律神経をすべて完全に温存し、排尿性機能を術前同様に残すことも可能です。しかし、自律神経の近くに進行している直腸がんでは、神経を犠牲にした確実な手術も必要となります。直腸がん手術は、進行度に応じて、自律神経温存術、肛門括約筋温存術、局所切除、人工肛門などのさまざまな手術法があります。
進行がんは内視鏡的治療の対象外です。
大腸がんは性質の穏やかなタイプが多いため、外科手術後の生存率が高く、大腸がんと診断されても必ずしも悲観する必要はありません。また、外科手術の進歩に伴い、直腸がんでも人工肛門を作らないで済む場合がふえてきました。最近では腹腔鏡を利用した手術も応用されてきており、比較的早い時期のがんには以前より傷口の小さな手術も可能になってきました。とはいえ、がんが肝臓や腹膜などに転移してしまうと救命は難しくなりますので、やはり早期発見・早期治療が大切です。

●化学療法
大腸がんに対する抗がん剤の治療は、現在は、イリノテカン、5-FU、ロイコボリンの3剤併用療法が標準的な治療ですが、抗がん剤の効き方には個人差があり、有効率は30~40%とあまり高くはなく、副作用がみられます。
進行した大腸がんは、手術後に再発予防の目的で、抗がん剤による補助化学療法が行われる場合があります。手術時に肝臓や肺などに転移していて切除できなかった場合や再発が明らかな場合には、予防的な補助療法とは異なり、より多量の複数の抗がん剤による併用療法が行われます。肝臓だけに転移がある場合は、肝動注化学療法と呼ばれる肝動脈から抗がん剤を注入する治療を行う場合もあります。病巣のみに高濃度の抗がん剤を投与する方法です。

●放射線療法
進行が進んでがんを切除できないもの、あるいは肉眼的には切除できていても微小な病変が残っている可能性が高いものには、放射線の照射を行います。 放射線療法は直腸がんの原発巣や骨盤内再発の治療、大腸がんの骨転移、脳転移に行われる場合がほとんどです。