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やけどとは

やけどは正式名称を「熱傷」といい、熱湯や炎、高温の蒸気、化学物質 電流などにより皮膚及び粘膜が傷害された状態をいいます。 また、たとえ高温度ではなくても(約40~55℃)長時間にわたり熱を 加えるとやけど症状がでます。これは低温やけどといい、カイロなどの 間違った使用法や冬場の睡眠時に使う温熱用品などの加熱により、 よく起こると言われています。

やけどと他の外傷との相違点は、やけどは出血が見られず傷害直後からの 発赤や腫れが現われ、水ぶくれが約2~3日進行して行くと言う点です。 皮膚には体温や体液量の調節、細菌類への防御作用があり、広範囲の やけどなどは血圧が低下したり、細菌感染など起こす危険性があるため 点滴投与が必要な場合もあると言われます。


やけどの種類

やけどは、患部の範囲と深度で度合いを知る事ができます。

【やけどの範囲】
体表面積の炎症範囲をパーセンテージで示します。手のひらが体表の 約1%と言われます。また、成人の身体全体では「9の法則」と言う 判断基準があり、上半身では「頭部」「胸部」「腹部」「上肢(片腕で9)」 「背部」「腰・臀部」下半身では「膝上の前後面」「膝下の前後面」が それぞれ体表の「9%」と言われ、乳幼児の場合では体表面積の違いから 「5の法則」などを用います。 たとえ軽症のやけどでも、1%を超える様な症状は医者にかかる事が 必要だとされています。

【やけどの深度】
皮膚の構造は外側から「表皮」「真皮」「皮下組織」によりなっています。 したがって、やけどの深度は「Ⅰ度~Ⅲ度」に分類します。

<Ⅰ度>
表皮までの炎症で、皮膚が赤みをおび、ヒリヒリ痛みを伴う程度で跡も 残らず、数日で完治します。夏場の強い日焼けの様な症状です。

<Ⅱ度>
真皮まで及んだ状態で、痛みを伴い水ぶくれができます。浅い症状から 深い症状があり、前述のとおり1%を超える様なやけどは病院に行く事 が大切だと言われ、約25%を超える症状は生命の危険を伴う事もあります ので注意してください。

<Ⅲ度>
皮下組織まで達してしまった状態です。皮膚などが破壊され、また神経など も傷害された状態であるため、痛みを伴わない事もあると言います。 皮膚再生もあまり良くなく、跡が残ります。 また、約10%を超えると生命の危険があると言われています。


【低温やけどとは?】
低温やけどとは前述のとおり、約40℃~55℃の体温よりやや高い心地よい 温度での長時間の加熱によるやけどで、冬場のカイロや電気カーペット こたつ、電気アンカ、湯たんぽなどでよく起こると言われます。 心地よさが災いしてやけどが深くなる事も多く、皮膚が比較的薄い老人や 子供、また身体が不自由な病人、乳児などの場合は特に注意が必要です。


やけどの症状

先に説明した様に、やけどは範囲と深度で3つに分類されます。

【Ⅰ度の熱傷】
皮膚の表皮部のやけどで、「赤み」「ヒリヒリ感」「痛み」が起きます。 多くは、特別な治療は必要なく約1週間程で、皮膚が再生され、 完治します。夏場の海水浴などでの強い日焼けなどはこのタイプと 言われています。

【Ⅱ度の熱傷】
真皮までのやけどで、水ぶくれが形成され激痛を伴います。さらに このタイプは、浅い症状と深い症状に分けられ2次感染(細菌感染など) が起きてない場合、浅い症状で約1~2週間、深い症状で約3~4週間で 完治すると言われます。
しかし、範囲が約1%以上で病院での治療が必要とされ、約25%以上では 生命の危険すらあると言われてます。

【Ⅲ度の熱傷】
皮下組織まで及んだやけどで、組織破壊が起こり皮膚は青白くなります。 このため、皮膚再生も悪く、痛みを感じない場合も多い様で軽症と誤解 してしまう事もあるようです。
このタイプのやけどは重症で、範囲が約10%以上で生命の危険があり また、2次感染感染などから全身感染へと悪化する事もありますから、 範囲が狭くても、すぐに病院などで適切な処置を行ってください。


やけどの原因

やけどの原因には、炎、熱湯、過熱蒸気、化学薬品など様々な原因がありますが ここでは、日常生活においてよくみられる原因を紹介します。

【乳幼児では?】
・ポットなどのお湯をこぼしたり、飲んでしまう。
・カップめんや味噌汁などの熱い食べ物をこぼす。
・炊飯器などの高温蒸気に触れる。
・電気が入ったままのアイロンなどに触れる。
・花火など。
・高温の浴槽に転落する。(このケースは広範囲のやけどの原因で最も多いと言われ、また溺れてしまう危険もあるため細心の注意が必要と言われます。)

【大人では?】
・使い捨てカイロなどの長時間使用。
・揚げ物の調理時に起きる油飛び。
・タバコの火。
・過度の日焼け。
・バーべキュウーなどの時に使用する「着火剤」

また、特殊なケースでは薬品類や電流によるやけどもあります。


やけどの予防策

ほとんどのやけどは、本人の不注意によるものと言われています。 特に、乳幼児などがいるご家庭では細心の注意が必要です。 ここでは、日常生活における注意点をいくつか紹介します。

・お湯などは必要最低限沸かすようにし、とっておかない。
・汁物などはぬるめに調理する。
・子供が触りそうなテーブルクロスなどは使用しない。
・カップめんなどは器が不安定なためなるべく容器にうつして食べる。
・タバコの火はきちんと始末する。
・ライター類は子供の手に届く所に置かない。
・ポットなどは安定性のあるものを選び、倒れてもお湯がこぼれない  物を使用する。 ・子供が炊飯器などの高温蒸気に触れさせないようにする。
・乳幼児が一人でお風呂場に行かないようにし、フタも丈夫な物を使用する。
・電気のコンセントを抜いておく。(通電したプラグをなめると口にやけどをする危険があります。)

これらの他、花火などで遊ぶ場合は言うまでもなく、子供たちだけでやらせず 水が充分入ったバケツなども用意して行うようにしてください。


やけどの治療法

やけどの治療法、応急処置はみなさんご存知のとおり、まず第一に 患部を「冷やす」事です。氷やコールドパックなどではなく、 水道などでの「流水」が最適だとされています。 この際の注意点は、落ち着いて約15分~30分程、痛みが感じなくなる まで冷やし、衣服など着ている場合は、皮膚などが剥がれる可能性が あるため無理に脱がせず、その上から冷やすようにし ハサミなどでを使用し、衣服を切り患部を露出させたりします。 また、2次感染予防のため水ぶくれなどは破かないようにしましょう。 この他の詳細は以下のとおりです。

【冷却時間は?】
先のようにまずは患部を冷やします。目安は約15分~30分程度と言われ ますが、逆に冷やしすぎにも注意が必要です。冷やしすぎでの痛みは 水の温度調節が可能であれば少しだけぬるめにしたり、無理な場合は 清潔なタオル等を水に浸し、それを患部に巻いたりしてもOKです。 また、顔や頭部など水をかけにくい部位に対してもタオルを使用したり 氷水の袋及びコールドパックなどの冷却が有効と言われます。 手足や指など狭い範囲のやけどは、流水(水圧は弱め)で充分ですが、 範囲が広い場合には、水が入ったバスタブなどに患部を浸し、 救急車などを呼んだ方が良いと思われます。

【衣服は?】
衣服などの上からのやけどの場合(熱湯がかかるなど)は、慌てて 脱いだりしない方が良いと言われます。そのわけは皮膚などが 衣服に密着し、一緒の剥離してしまう危険があるためです。 このケースは衣服の上から流水します。患部を露出する場合は 傷にはり付かないガーゼを患部にあて脱がしたり、衣服を ハサミなどで切り開き脱がせると言われています。

【市販薬は?】
軽症の場合では、充分流水した後、市販の消毒薬を塗るだけで良い されます。昔は民間療法として「みそ」「しょうゆ」「ジャガイモ」 「チンク油」などがありましたが、最近はそれらの有効性はないと 言われ、治療の妨げにもなりますから、使用しないほうが良いと 思われます。基本的には病院に行く際はないも患部につけず、 清潔なガーゼ類などを使用しコールドパックなどで冷却しながら 行くようにしてください。また、広範囲のやけどや熱風など を吸い込んだ、気道のやけどなどは早急に救急車を呼ぶ事が大切です。

【植皮(皮膚移植)とは?】

重度のやけど(Ⅲ度の熱傷)などは植皮が必要になる場合があります。 近年の医学の発達で、形成外科の技術も急速に進歩しました。 しかしこの「植皮」は腎臓、や心臓の移植とは異なり他人の皮膚では 成功例がないとされています。この手術は、自分の皮膚で行うしかなく やけどの範囲が広範囲で、他から皮膚を寄せ集められない場合や 顔面部などでは必要とされていますが、必ずしも成功するわけでもなく 移植した皮膚のつきが悪かったり、傷跡が目立ったり、2次感染を 起こしたりという例もあるようです。 最近は、腹部や背部などの比較的広範囲な部位でも皮膚を寄せる事が できるといいますので、医師と良く相談してみてください。


やけどの治療施設

やけどは、処置を間違えると跡が目立ったり、細菌に感染したりと 重篤な状態になってしまう危険があるため、少しでも不安な事が あれば、専門医と相談をするようにしてださい。特に、心臓病や 糖尿病を患っている方や、高齢者や子供の場合はなおさらです。 症状が軽いと思われる時は、近所の皮膚科で相談されのが良い でしょう。しかし、広範囲のやけどや顔面、下腹部などのやけど は治療設備が整った、大きな病院に行かれるべきだと言われてます。 また、Ⅱ度のやけどが約15%以上であったりⅢ度が約2%以上の場合 には基本的に入院治療が必要とされ、体表の約30%以上の症状に 対しては、熱傷ショックなどで血圧低下などが起こり生命の危険が あるため、速やかに救急車などを呼び、やけどの専門医が 在籍しているような総合病院で集中治療を行う事が大切だと 言われています。 自己判断及び民間療法で解決しようとせずに、やけどの専門医に 相談する事がやはり最善の方法でしょう。