ベーチェット病 のいろは

病気のいろは
頭の病気 - 脳
頭の病気 - 目
頭の病気 - 鼻
頭の病気 - 口
頭の病気 - 耳
頭の病気 - 他
全身の病気
内臓の病気 - 肺
内臓の病気 - 心臓
内臓の病気 - 胃
内臓の病気 - 肝臓
内臓の病気 - 腸
内臓の病気 - 腎臓
内臓の病気 - 他
骨の病気
関節の病気
血液の病気
皮膚の病気
心の病気
女性の病気
性関連の病気
その他の病気
   
    深呼吸ダイエット
ベーチェット病とは ベーチェット病の症状 ベーチェット病の合併症 ベーチェット病の原因
ベーチェット病の治療法

 ベーチェット病の方に役立つ無料小冊子

ベーチェット病とは

ベーチェット病(Behcet's disease)は、1937年トルコのベーチェットによって提唱された疾患で、厚生労働省の「特定疾患治療研究事業対象疾患」にも指定されている特定疾患(難病)の1つです。 全身の皮膚や粘膜に発作性の炎症が繰り返し起こる慢性再発性の全身性の炎症性疾患で、急性炎症性発作を繰り返すことが特徴です。原因はわかっていません。体内の異物を排除するときに集まってくる白血球が、異物はないのになぜか発作的に集まってきて炎症を起こします。口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つが主な症状です。

ベーチェット病の地域的発症は、世界的にはシルクロードに沿った帯状の地域に偏っており、日本に次いで、韓国、中国、中近東、地中海沿岸諸国でよく見られます。日本では北の地方で高く、南方では低いといえます。従来、男性に多い疾患であるといわれていましたが、最近の調査では男女にほとんど差はないようです。ただし、男性の方が重症化しやすく、内蔵病変をつくりやすいようで、とくに眼病変は男性に多く、しばしば失明に至ることも男性に多くみられます。このように失明率の高いことや、20歳代後半から40歳代にかけての働き盛りに多く発症するといった特徴があります。


ベーチェット病の症状

ベーチェット病の主な症状は、口腔粘膜のアフタ性潰瘍、外陰部潰瘍、皮膚症状、眼症状の4つです。

口腔粘膜のアフタ性潰瘍では、口唇、頬粘膜、舌、歯肉、口蓋粘膜に円形の境界鮮明な潰瘍ができ、再発を繰り返します。この症状はほぼ例外なく発症します。

外陰部潰瘍とは、男性の陰のう、陰茎、亀頭に、女性の大小陰唇、膣粘膜にみられる、痛みを伴う潰瘍です。

皮膚症状としては、下腿伸側や前腕に結節性紅斑様皮疹がみられます。また顔、頸、胸部などに発疹ができたり、皮下に血栓性静脈炎がみられることもあります。

眼症状はベーチェット病のもっとも重い症状です。ほとんど両眼が侵され、後眼部病変として網膜絡膜炎を起こし、失明に至ることがあります。

それ以外の症状として、関節炎、副睾丸炎、消化器病変、血管病変、中等度以上の中枢神経病変などがあります。特に神経症状が前面に出る病型を神経ベーチェットといい、難治性でもっとも予後が不良です。この神経病変も男性に多く、ベーチェット病発症から神経症状発現まで平均6.5年と、長い経過が特徴で、症状は片麻痺、髄膜刺激症状、小脳症状、錐体路症状など多彩です。精神症状をみることもあります。


ベーチェット病の合併症

眼病変の虹彩毛様体炎や網膜ブドウ膜炎では、白内障や緑内障、網膜剥離などの合併症が高い頻度で起こります。こうした合併症が起きると、視機能が低下してしまうことも多いので、早期に治療を受けることが大切です。

最近では、適切な時期に専門医による手術を受ければ、炎症を強めずに治療できるようになってきており、手術によって視力が回復したり、視野異常の進行を最小限に抑えることが期待できます。


ベーチェット病の原因

ベーチェット病の原因は現在も不明ですが、その病態の形成については少しずつ明らかになりつつあります。つまり、何らかの内因や外因が関与することにより白血球に異常が生じるということ、また、発病の条件に組織適合性抗原のHLA-B51が大きく関与していることから、HLA-B51をはじめとした複数の発症感受性遺伝子が存在すると考えられています。

外因には、汚染物質や細菌・ウイルスなどが関与している可能性も指摘されています。

なお、遺伝的素因があっても必ずベーチェット病を発病するとは限りません。


ベーチェット病の治療法

ベーチェット病の治療には、「生活指導」と「薬物治療」があります。

生活指導は予防的治療でもあり、睡眠不足に気をつけ充分休息をとり、規則正しい生活をしてストレスを溜めないことや、バランスのよい食事を心がけて熱い物や香辛料などの刺激物や強いアルコールを避けるなどです。

薬物治療では、症状の重さや後遺症のリスクなどにより、治療の優先順位を決めて治療法を選びます。 生命に危険を伴う場合や重篤な後遺症が予想される場合は、副腎皮質ステロイド投与が治療の柱になります。ステロイド薬は副腎皮質で作られるホルモンで、炎症を抑える強い作用があります。炎症の部位や程度によって、点眼、内服、注射、または手術で眼球内に埋め込むタイプなどを使い分けます。 深刻な後遺症を残す眼病変、即ちぶどう膜炎については、白血球の動きを抑えるコルヒチンを経口内服します。ステロイド薬の点眼や眼周囲注射も発作期には有効です。他にシクロスポリン、FK506、シクロホスファミド、6MP、アザチオプリン、ミゾリビンなどの免疫抑制薬が使われていますが、いずれも造血系、腎臓、肝臓、中枢神経系等に障害の出る副作用もあるため、治療には注意が必要です。 後遺症や日常生活への影響もさほどでない粘膜皮膚病変や関節病変などには、局所療法が主体となります。好中球機能抑制作用をもつアゼラスチン、コルヒチン、レバミピド、エイコサペンタエン酸が用いられ、関節痛に対しては非ステロイド性抗炎症剤が使われます。口腔内アフタに対してはセファランチン、エパデール等が有効な場合があります。